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交通事故における間接損害とは

交通事故は加害者と被害者の問題だけではなく、場合によっては間接的に損害を受けることもあります。事故の直接の被害者ではないものに対して発生した損害のことを間接損害と言います。間接損害には「固有損害」と「反射損害」に大きく分けることができ、間接的な被害者も損害に対してしっかり対処していくことが必要となります。

間接損害である固有損害とは

交通事故はどんなに被害者が注意していても引き起こされます。被害者によっては被害者本人やその家族だけではなく、被害者が会社の取締役などである場合には、交通事故で死亡または負傷して入院などすることになった結果、会社に損害が発生してしまうことがあります。

交通事故にあったせいで、予定していた商談に欠席できなかったことで契約できなかったなどのケースが損害になります。このような直接的な被害者ではないものの交通事故で会社に損害が生じてしまった場合は固有損害または企業損害と言います。

事故を起こしたことによって損害賠償を請求できるのは、直接被害にあった人のみです。原則として会社はどんなに被害があったとしても間接損害について加害者に対して、損害を請求できないようになっています。ただし、会社と交通事故の被害者である取締役などの間に、経済的な一体性が認められば例外的に会社が加害者に対して損害について請求することができるとされています。

経済的な一体性とは、資本金や売上高、従業員の数などを様々なことを含めた企業規模と、被害にあった人の地位や業務内容、権限のほか、被害者の財産と会社の財産の分別をしているかどうかなど様々なことを考慮して判断されます。

反射損害について

交通事故の被害者が、会社の代表者や役員などである場合、会社としてはそれらの被害者に対して、給料や報酬を支払う義務があります。これは事故のせいで実際に被害者が働いていなくても、会社側が負わなくてはならない義務です。

被害者のせいではないとはいえ、被害者が働いていないのに給料や報酬などの支払う必要がありますが、この支払い自体が会社にとっては損害と考えられます。このようなことを反射損害と言います。これは間接損害の一種になります。

かかる給料や報酬の支払いについては、会社は加害者に対して賠償請求できるとされています。ただし、役員報酬では労働の対価の範囲がどの程度なのかがが問題となるため注意が必要です。

加害者としては納得がいかない部分もあるかと思いますが、実際に裁判が起こっています。ただし、実際に発生した金額しか請求できないようになっています。給料を30万円支払っているのに対して、100万円を請求したとしても受け取ることは不可能です。

反射損害による損害請求を行う場合には実際に支払っている分のお金しか請求できないようになっています。

大企業であれば顧問弁護士などがいるためしっかり損害分に対して請求を行うことが多いですが、小さな会社だと反射損害請求を見落としてしまうことも多いため注意が必要となります。

どこまで認められるのか

会社で間接損害が発生した場合、相手に対してどこまで請求できるのかは気になるポイントだと思います。反射損害であれば被害者本人の休業の必要性がわかりやすいため、原則的に認められることが多いです。それに対して間接損害、特に固有損害はどこまでが損害なのかがわかりにくく、簡単には損害と認められないとされています。

固有損害の請求は経済的に一体であるかどうかが重要です。経済的一体性は総合的に判断されますが、法人といっても一人で会社を行なっており、個人営業と変わらないという場合には間接損害が認められやすくなります。被害者が単なる一従業員である場合には、基本的に固有損害は認められにくくなっています。

認められにくいとしても、実際に損害を被っているという場合には、弁護士に相談してみることをオススメします。弁護士は法律のプロですので、被害者と会社の経済的な一体性をきちんと証明してくれるため、損害を請求できる可能性が高くなります。

ある程度従業員がいると間接損害を認められることは難しいですが、役員報酬などの請求がしっかり行われるなどが期待できます。

間接損害を補償するには

間接損害はほとんどの場合、損害請求をしても認められないことが多いとされています。しかし、場合によっては認められるケースもあります。交通事故のせいで電信柱が倒れ、会社が停電してしまったなどのアクシデントによって企業活動が阻害された場合です。

企業活動がまともにできなくなれば、当然その分利益は減ってしまいます。しかし、そんな場合でも従業員の人件費や税金などの経費はかかり続けることになります。企業活動ができないのに支出が出るということは会社にとって大きな負担になり、経営を行う上でも障害となってしまいます。

そんな時に失われた利益と損失をカバーすることができるのが、「利益保険」です。利益保険に加入しておくことによって、本来なら得られた利益、通常よりも多く支払うことになった経費を補うことができます。利益保険に加入しておくことによって、企業にもしものことがあったとしても資金を確保することができます。

ただし、あくまでも事故が起こったとしても会社に対して間接的に大きな損害があった時のみ、使用できる保険です。交通事故で会社の従業員が負傷したことで利益が損失された、というケースでは利用できないため注意が必要です。

間接損害の種類

間接損害は、従業員などが怪我をすることで企業の利益が減るだけではなく様々な被害もあります。事故車が会社の社用車で、修理中にレンタカーを借りて代用していた場合の費用なども間接損害になります。車同士の事故では、車は修理をしても外装や機能面で事故前と同じ状態に復元できず、査定額が下がってしまうこともあります。

これを格落ち損と言いますが、査定額が下がってしまうことは認められず認定された場合でも修理費の10〜30%程度しか支払われないため、間接的な被害と言えます。車を修理に出して戻ってくる間は、車が使えないため代車を借りたり、他の交通機関を利用することになります。

この場合には代車や交通機関を利用するため、交通費は請求できます。ただし、請求できる期間は買い替え期間に限られており、代わりの交通手段を使う必要がある場合にしか請求できないとされています。休車損害という間接損害もあります。

社用車などを修理する必要が出てきたことによって、業務上の損失が生じた場合に損失分の賠償を請求することです。ただし、損害が少ない、別の車が使えるという場合には請求が認められず、請求するためには事故が起こったせいで失われる損失分はどれぐらいかなどの資料を用意することが必要です。

参考サイト…交通事故